就活生に人気の損害保険会社について、わかりやすく解説

○○火災保険、△△海上保険、◇◇傷害保険、××自動車保険、□□再保険、◎◎損害保険…

ほとんどの方が、これらの言葉がついた会社の名前を知っているでしょうし、ほとんどの方は、ご自身またはご家族がこれらの会社の契約者になっていることでしょう。

これらの言葉が社名に入っている会社は、全て損害保険会社です。

保険業法で、全ての損害保険会社は必ず、この6つの言葉のうちどれかを商号に入れなければならないと定められています。

では、損害保険会社とは、どのような会社でしょうか。

損害保険会社とは、予測不能な事故や火災などによって受ける損害に対し、一定の金額(保険金)を支払う保障をしている会社を指します。自動車保険や火災保険などを扱っている会社がこれにあたります。このような事故や火災は予測ができず、いつ保険金の支払いが起こるかわかりませんので、ある程度のお金を常に用意しておく必要があります。そのために、預かり資産の運用は、短期貸付や預金など安全性の高いもので行っています。子会社を通じた生命保険会社からの業務参入の解禁や1998年からの保険料の自由化により、損保業界内における競争は激しくなっています。

【引用元:コトバンク/保険基礎用語集の解説 損害保険会社

より端的に言えば、損害保険会社とは、自動車保険や火災保険などの「損害保険」を販売する会社ですが、その商品内容や、よく対比される生命保険会社との違いを通じて、「損害保険会社」はどのような会社なのか、わかりやすく解説します。
法人 外国損害保険協会

損害保険の役割

リスクへの対応

交通事故などの不測の事故、火災、地震・風水害などの自然災害、第三者への損害賠償責任の負担や事業で被る不利益、盗難など、日常には様々なリスクがあります。

そのようなリスクへの経済的対応は、大きく分けて3種類あります。

・回避または軽減する
事故に遭わないため車に乗らない、外に出ない、などが回避策ですが、ほとんどの方にとって、現実的とは言えません。

建物の防火材使用や補強は火災や地震のリスクを軽減することにはなりますが、100%リスクを取りのぞくことはできません。

・自分でカバーする
貯蓄を切り崩すなどして、被った損害を全額自分で支払います。大きな損害の場合、対応しきれません。

・転嫁する
「損害保険」に加入し、損害保険会社に保険金を支払って、リスクを肩代わりしてもらいます。

自分ではとてもカバーできない不測の事態にも対応できることになり、日常生活の「安心」を手に入れることができます。

少ない負担で大きな安心を得るしくみ

保険は「相互扶助」の考え方から生まれ、「大数の法則」の上に成り立っています。

「相互扶助」とは、たくさんの人たちが少しずつお金を出し合うことで、その中の誰かが不測の事故や災害で損害を被ったときその出し合ったお金で補償するという考え方です。

契約者1人ひとりが払う保険料は少なくても、大勢の契約者から集まった資金は膨大になり、契約者の誰かが事故に遭ったときの大きな損害を補償することができます。

「大数の法則」とは、少ない数では不確定な確率でも、数を増やすことで一定値に近づくこと。

例えば、サイコロを振って1の目が出る確率は、振る回数を増やすことで6分の1に近づきます。

事故の発生確率も、分析する事故データが多ければ多いほど、正確に予測できるようになります。

ある旅行で大きなケガをする確率が0.1%なら、1000人が1000円ずつ拠出すれば、その中の誰がケガをしても集めた100万円で損失をカバーできます。

損害保険会社は集めた大量のデータから、適切な保険料を計算しているのです。

生命保険会社と損害保険会社の違い

保険会社には生命保険会社と損害保険会社があり、兼業は禁じられています。以下、両者の違いをみてみましょう。

扱う分野

保険業法は、保険ビジネスを3つの分野に大別しています。

第一分野:人の生死に関し一定額を支払う保険
終身保険・個人年金保険・定額保険・養老保険・生存保険 など

第二分野:偶然の事故によって生ずることのある損害をてん補する保険
火災保険・自動車保険・地震保険・海上保険 など

第三分野:第一と第二の中間にあり、疾病や傷害、介護などにおいて一定額の支払い、またはかかった費用をてん補する保険
医療保険・がん保険・傷害保険・介護保険 など

生命保険会社が扱うのは第一分野と第三分野で、第二分野を扱うことは禁止されています。

損害保険会社が扱うのは第二分野と第三分野で、第一分野を扱うことは禁止されています。

保険金の支払い方

・生命保険は定額払い
死亡などの際に事前に約束した金額を給付します。人の生死に値段をつけることはできないという考え方をとっています。

・損害保険は実損てん補
事故や災害によって被った損害分を、保険金額を限度に補償します。

損害により不当な利益を得ることを防ぐためです。

保険期間

・生命保険は、10年~30年と掛け続ける長期継続および積立型がほとんどです。
・損害保険は、1年ごとに契約を更新するものが多く、旅行保険のように「旅行に行っている期間だけ」というものもあります。

販売形態

・生命保険会社では、主に「自社の営業職員」が顧客を訪問して販売しています。
・損害保険会社はホールセール(法人向け営業)を除き、「保険代理店」に販売を任せています。

損害保険の種類

損害保険には、以下のようなものがあります。

自動車の保険

・自賠責保険
法律で加入が義務付けられている保険で、自動車事故で他人の身体に損害を与え、賠償責任を負った場合に補償します。

・任意の自動車保険
契約者が任意に加入する保険です。

・対人賠償保険・対物賠償保険
自動車事故で他人の身体や財物に損害を与え、賠償責任を負った場合に補償します。

・身傷害保険・搭乗者傷害保険・無保険車傷害保険
自動車事故で運転者や同乗者が身体に損害を被った場合に補償します。

・車両保険
自分の自動車に損害を被った場合に補償します。

自動車事故だけでなく、盗難や自然災害による損害も補償します。

住まいの保険

・住宅火災保険・住宅総合保険
火災、落雷、破裂・爆発、風災・雹災・雪災等により、建物や家財に損害を被った場合に補償します。

・地震保険
地震・噴火またはこれらによる津波により建物や家財に損害を被った場合に補償します。

からだの保険

・傷害保険
突然の事故により通院や入院をした場合に補償します。

・医療保険
原因は問わずケガや病気によって入院や通院をした場合に補償します。

・国内旅行傷害保険・海外旅行傷害保険
旅行中にケガをした場合に補償します。なお、海外旅行傷害保険では海外旅行中の病気も補償します。

その他の保険

・所得補償保険
ケガや病気等によって就業不能になった場合、就業不能期間の所得の損失を補償します。

・個人賠償責任保険
日常生活で他人の身体や財物に損害を与え賠償責任を負った場合に補償します。

・ゴルファー保険
ゴルフプレー中に発生した賠償事故やケガなどを補償するのが基本ですが、ホールインワンやアルバトロスを達成した場合の祝い費用も補償され ます。

各社の情報はここで

日本には、損害保険会社の大きな業界団体が二つあり、会員会社の情報を公開しています。

一般社団法人 日本損害保険協会(The General Insurance Association of Japan )

会員会社は日本に本社がある損害保険会社です。

公開している内容は以下の通り。(リンクは各公開ページ)

会員会社の概要、主な経営指標等(正味収入保険料・保険金等)、決算状況
会員会社別の「お客様の声(苦情)」、取り組み方針・対応態勢、改善に向けての取り組み等
会員会社のホームページ
疾病または介護を支払事由とする第三分野の保険(医療保険等)の保険金の支払い状況

一般社団法人 外国損害保険協会)

会員会社は外国に本社がある損害保険会社です。

公開している内容は以下の通り。(リンクは各公開ページ)

会員会社の会社名・所在地・日本における代表者など
(会社名に各社HPへのリンクが貼ってあります)

平成26年度業容一覧表(pdf)

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