「土木施工管理技士は魅力的な資格だな…でも、その資格をとるのは難しいのでは…?」
気になる「土木施工管理技士資格検定試験」の難易度は現在どうなっているのでしょうか?
現在、日本には国家資格が1,200種類以上、民間資格まで含めると3,000種類以上の資格があるといわれています。
国家資格を5段階、S(超難関)、A(難関)、B(普通)、C(やや易しい)、D(易しい)にランク付けした難易度ランキングでは、土木施工管理士はB(普通)にランク付けされ、1級、2級共に技術系資格の中では比較的検定試験が易しい資格と言われています。
早速、気になる土木施工管理士の難易度について解説しましょう。
土木施工管理技士の資格試験とは?
建設業法で定められた専任技術者(建設業許可)主任技術者・監理技術者(現場常駐)になるためには土木施工管理技士の国家資格が必要になります。
この資格取得には建設業法第27条第1項に基づき、国土交通大臣指定機関が実施する国家試験である1・2級土木施工管理技士 技術検定に合格しなければなりません。
この技術検定に合格すると建設業法で定められた専任技術者(建設業許可)主任技術者・監理技術者(現場常駐)としての資格が付与されます。
土木施工管理技士には、1級と2級があり、受験資格も試験内容も異なります。また、試験は学科試験と実地試験が行われます。
国家試験である土木施工管理技士の検定試験は、毎年1回行われます。
1級と2級の試験難易度の差
土木施工管理技士の受験資格が1級も2級も満たしている場合、いきなり1級に挑戦するべきか、一応2級を受けて次のステップとして1級を狙う方が良いのか悩むと思います。
過去に1級と2級の検定試験を受験した人の声によると「1級と2級の検定試験では、それほどの難易度に差はみられない。」ということでした。
受験資格を満たしているのであれば、最初から1級を狙う方が2度検定試験をうけるより楽との意見が多く見られました。
ただし、実務経験が受験資格に満たない場合には、実務経験を積まなければならないわけですから、実務経験の受験要件を満たしている2級をとっておく必要があります。
また、少しでも早く、有資格者になる必要があるのであれば、2級に合格しておいて、次に1級を狙うという方法もあります。
資格を必要とする緊急度と現在の状況などから判断してください。
試験内容は?
土木管理施行技士の試験内容は、学科と実地の2科目です。学科は、土木工学、施工管理法、法規の3つ。実地は施工管理になります。
2級の試験科目も同じですが、出題範囲は「土木」「鋼構造物塗装」「薬液注入」のうち、自分が選択したものに限られます。
1級、2級とも学科が合格した人だけ、実地試験を受けることができます。
合格基準は?
・学科試験 得点が60%以上
・実地試験 得点が60%以上
となっています。
人数が制限されていないので、合格点に達すればよいわけです。
宅地建物取引主任者資格のようにその年によって、合格ラインが変わるわけではありませんから、気持の上ではかなり楽だと思われます。
また、実際の試験問題も常識的に答えられるものもかなりあります。
実務経験者でないと受験資格がないわけですから、実務をしながら経験から学ぶことが出来る知識を系統だって理解していくようにすればそれほど難しい試験ではなくなるでしょう。
なお、1級の場合は学科に合格して実地に不合格だった場合は、翌年だけ学科試験が免除されます。
2級の場合は、1級と同じ条件と所定の条件を満たせば学科試験が同じく免除になります。
実地試験が不合格だった場合は、翌年必ず合格できるように心がけましょう。
試験問題例
平成28年度 1級土木施工管理技術検定「学科試験」試験問題
■選択問題
【No. 24】 砂防工事に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)工事のため植生を伐採する区域では,幼齢木や苗木はできる限り保存して現場の植栽に役立てるが,萌芽が期待できる樹木の切株は管理が難しいため抜根して焼却処理する。
(2)砂防工事の現場では,土砂の流出の影響が大きいが,土工事における残土の仮置き場所であれば土砂の流出に注意しなくてよい。
(3)材料運搬に用いられる索道設置に必要となるアンカーは,既存の樹木を利用せず,埋設アンカーを基本とする。
(4)工事中に生じた余剰コンクリートや工事廃棄物は,現場内での埋設処理を原則とする。
正解は(3)です。が、常識的に正解を選べますね。
平成28年度 1級土木施工管理技術検定「学科試験」試験問題(必須問題)
【No. 2】 公共工事標準請負契約約款に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)受注者は,工事の施工部分が設計図書に適合しない場合において,監督員がその改造を請求したときは,当該請求に従わなければならない。
(2)発注者は,工事現場における運営等に支障がなく,かつ,発注者との連絡体制も確保されると認めた場合には,現場代理人について工事現場における常駐を要しないものとすることができる。
(3)受注者は,設計図書において監督員の検査を受けて使用すべきものと指定された工事材料が検査の結果不合格と決定された場合,工事現場内に保管しなければならない。
(4)受注者は,工事目的物の引渡し前に,天災等で発注者と受注者のいずれの責に帰すことができないものにより,工事目的物等に損害が生じたときは,損害による費用の負担を発注者に請求することができる。
正解は(3)でした。
如何だったでしょうか?あなたは、易しいと感じましたか?それとも難しかったですか?
土木施工管理技士 資格試験の難易度
いくら、将来性があり、メリットのある資格だからと言って、旧司法試験のように、何年も何十年も学んでも合格できないなどと言うのでは困ります。
しかしながら、土木施工管理技士の検定試験には厳しい受験資格が存在しています。誰でもが受けたいからと言って受けられる検定試験ではありません。
また、受験資格を満たしているということは、必要な学科を習得していたり、必要な実務経験があるわけです。
従って、他の一般的な資格試験を受けることに比べると受験資格があるというだけで、1歩も2歩も進んでいるといえるわけです。
専門の学科を習得したり実務経験を積んでいれば、相当の知識を身につけているはずです。そこからの受験勉強スタートですから、一般人が受験しようとするのとは条件が大きく異なるのは当然の事です。
しかし、そうはいっても「国家試験」です。
受験資格があるほどの知識、実務経験を積んでいるとはいっても、土木施工管理技士2級であれば、最低でも3~4か月土木施工管理技士1級であれば、半年以上は、勉強の期間をみないといけないと言われています。
とくに、土木関係の仕事は、勤務時間が不規則であったり長時間にわたったり、勤務場所が移動したりすることが多いことが考えられます。
その為、勉強に充てる時間を作りにくいことも、受験の難易度を高くしているのかもしれません。
しかしながら、土木施工管理技士の取得後に得られるメリットの数々を思い出してください。そして、勉強の時間を捻出して土木施工管理技士の検定試験に合格しましょう。
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