手を使わずに頭を使って作り上げるモノづくりの「総監督」施工管理技士

私たちの住む日本では世界中を見渡しても、並ぶもののないほどモノづくりの技術が卓越しています。

昨今はアニメや漫画などの創作物が「クール・ジャパン」と評されて、世界中で大きな評価を得ているのもご存知なのではないでしょうか。

元来、コツコツと生真面目に働くことのできる日本人は、海外の人が真似のできない繊細さと忍耐強さを持っているとも言われています。

そんな私たち日本人が誇る「モノづくり」の精神、技術は何年・何代にも渡り受け継がれているわけですが、ともすれば命や身体に危害の及ぶかもしれない場面も少なくないのです。

とりわけ、建築・電気関係の現場では「モノづくり」の技術を十二分に発揮するために、安全に対する配慮は

絶対に欠かせません。

また、大きなモノづくりにおいては、様々な技術が施されるため、他業種による複雑な工程を要します。

その一連の流れを統括・指示する責任ある仕事をする人を、「施工管理技士」と呼び、国が認定する資格となっています。

施工管理技士とは何か、について概要を追ってみたいと思います。

施工管理技士とは

施工管理技士（せこうかんりぎし）は建設業法第27条に基づく国家資格になります。よく間違われますが、「技師」ではなく「技士」です。

建設業において特定業種の技術を認定された者は技術検定合格者となり、所定の手続きによって国土交通大臣から技術検定合格証明書が交付されます。

施工管理技士の区分は1級、2級で表されます。例えば建築施工管理技士なら「1級建築施工管理技士」「2級建築施工管理技士」と表記されるのです。

施工管理技術検定は、建設業法第27条に基づく国家試験になります。

そのため、施工管理技士資格は 建設業法の目的を達するための制度であることが分かると思います。

建設業法では…

「建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに建設業の健全な発展を促進し、もって公共の福祉の増進に寄与すること」

を目的としています。

その目的達成のために国土交通大臣の指示の下、建設工事に携わる者を対象にして技術検定を行い、施工技術の向上を図って行く必要があるのです。

間違えてはいけないのは、「職人の技術」を認定するのではなく、設計から実際の施工に至るまでの一連を「管理監督する技術者」が対象となることです。

そのため、実務経験を経ていることが必要条件となり、受験資格にも実務経験が求められています。

施工管理技士は6つの種類に分かれています。

それぞれの技士が各分野で一定水準以上の知識と技術を有していることを認定しています。各施工管理技士は、「国土交通大臣が指定した機関」で試験が実施され、受験資格や日程などは各施工管理技士ごとに異なるため注意が必要です。

技士の種類と指定機関は次の通りです。

建設機械施工技士は、施工管理技士のなかでは最も古い資格です。他の資格に比べると比較的合格率が高いと言われています。

土木施工管理技士は、河川や道路、橋梁、港湾、鉄道、上下水道などの土木工事現場で「現場監督」として活躍する資格です。

現在、建設業界の中でも特に人材不足が叫ばれている資格です。東日本大震災や熊本地震（2016年）による除染工事や
造成工事などの復興工事が急増しているためです。

建築施工管理技士は、土木施工管理士の次に人気の高い資格です。

監理技術者としての種類も、28業種中16業種と建設業法で規定された中で最多の数を誇り、建設業界では重要度の高い技士です。

設計分野のスペシャリストである建築士の資格と比較されることもありますが、施工管理技士は建築士と比べて難易度は低く、施工課程の計画・管理分野のスペシャリストとして活躍できます。

電気工事施工管理技士は、電気工事を行う際に現場の指導・監督をするための資格になります。

似たような資格として、電気工事士や電気主任技術者などの資格がありますが、難易度が電気工事施工管理技士と比べて高いため、対策や準備も異なります。

管工事施工管理技士は、冷房設備、空調設備、給湯設備、配管工事などの施工計画を作成し、品質や安全管理などを行う資格になります。

造園施工管理技士は、公園や遊園地などの造園工事における施工計画の作成・管理を行う資格です。

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